目作り(作り目)とは?棒針・かぎ針の種類とやり方をやさしく解説

作り目とは、編み物の一番最初に針へ編み目を作る工程のこと。ここが土台になるので、作り目が安定すれば、その後の編み地もきれいに整います。
この記事では、棒針編み・かぎ針編みそれぞれの作り目の種類とやり方、目数の数え方、必要な糸の長さ、そして「きつい・ゆるい」を防ぐコツまで順にまとめました。初めての人が迷わず編み出せるよう、判断基準もセットで解説します。
目作り(作り目)とは?編み物の最初の一歩をやさしく解説

私が編み物の取材で何度も聞いたのが「作り目で失敗して、もう作品まで進めない」という声でした。逆に言えば、ここさえ押さえれば一気に前に進めます。
作り目は英語で「キャストオン」と呼ばれる工程で、棒針やかぎ針に最初の目を並べる作業を指します。
ハマナカの基礎解説では、指でかける作り目について、作り目そのものを1段と数えると明記されています。つまり作り目は「準備」ではなく、れっきとした編み地の一部です。
作り目が編み物で大切な理由
作り目は編み地の縁(へり)になります。家でいえば基礎の部分。
手づくりタウンの解説では、よい作り目は伸縮性があり、薄く、ごろつかないと説明されています。逆に言えば、ここが硬く詰まると裾がつっぱり、ゆるすぎると縁がだらりと波打ちます。
棒針編みとかぎ針編みでの違い
同じ「作り目」でも、道具が違えばやり方も変わります。棒針は2本の針に目を並べていく形、かぎ針は鎖編みなどで土台を作る形が基本です。
棒針の指でかける作り目では、針を2本そろえて作り、その後1本を抜いて編み始める手順がメーカー解説で示されています。
知っておきたい基本用語の言い換え
専門用語につまずくのはもったいないので、最初にやさしい言い換えだけ押さえます。
| 用語 | やさしい言い換え |
|---|---|
| 作り目(目作り) | 最初に針へ作る編み目 |
| 別鎖(べつくさり) | あとでほどく捨て用の鎖編み |
| 共鎖(ともくさり) | そのまま編み地に残す鎖編み |
| 裏山 | 鎖編みの裏側の山。ここから目を拾う |
| ゲージ | 10cm四方あたりの目数・段数の目安 |
棒針編みの作り目の種類とやり方
棒針の作り目は数種類ありますが、初めてなら「指でかける作り目」を覚えれば十分スタートできます。ここでは基本の流れと、別鎖・共鎖の使い分けまで触れます。

指でかける作り目
棒針で最も広く使われる基本の作り目です。
糸端から、編みたい幅のおよそ3倍の長さの位置で輪を作り、そこから目を作っていきます。これは複数のメーカー解説で共通して案内されている目安です。
針は2本そろえて目を作り、必要目数ができたら1本を抜きます。ハマナカの例では、作り目を1段と数え、2段目を裏編み、3段目を表編みで進めています。
正直、最初は「3倍」がピンと来ません。私が取材した教室では、心配なら糸端を長めに取り、余ったら切る方が安全と教えていました。足りなくなって作り直す方がずっと手間だからです。
別鎖(べつくさり)の作り目
あとから縁を別方向に編んだり、目を拾い直したいときに使う作り目です。
手づくりタウンの解説では、かぎ針で必要目数より多めに鎖編みをし、最後に棒針で鎖の裏山から1目ずつ拾う手順が示されています。役目を終えた鎖編みは、後でほどいて外します。
「何目多く編むか」は固定の数値としては示されていないので、私は端が拾いにくくならないよう、左右に数目ずつ余裕を持たせるようにしています。
共鎖(ともくさり)の作り目
別鎖が「あとでほどく鎖」なのに対し、共鎖はそのまま編み地に残す鎖の作り目です。ほどく手間がない分、手早く始められます。
縁をあとで拾い直す予定がないなら共鎖、伸縮や別方向の編み足しを考えるなら別鎖、という分け方が分かりやすいです。
別鎖の作り目から輪にする方法
帽子や靴下のように筒状に編むときは、別鎖で作った目を輪につなげます。
鎖の裏山から拾った目を複数の針に分け、編み始めと編み終わりがねじれないように合わせて輪にします。最初のひと回りでねじれていないか確認してから編み進めると、失敗を防げます。
かぎ針編みの作り目の種類とやり方
かぎ針の作り目は「鎖編みの作り目」と「輪の作り目」の2つを押さえれば、平らな編み地も丸い編み地も始められます。

作り目に使うかぎ針の号数の選び方
基本は、本体を編むのと同じ号数のかぎ針で作り目をします。
参考として、棒針側ではハマナカが、適正針を2本そろえるほか、適正針より1〜2号太い針を1本使って作る方法もあると解説しています。作り目がきつくなりがちな人は、こうして少し太い針を使う発想が、かぎ針でも応用できます。
鎖編みの作り目
平らな編み地のスタートになるのが鎖編みの作り目です。
最初に輪を作り、針に糸をかけて引き出す動作を必要な数だけ繰り返します。鎖が連なって「くさり」状になったら土台の完成です。
1段目を編むときは鎖の裏山を拾うと、縁がきれいに揃います。表側の見える鎖を拾うとめくれやすいので、私は裏山拾いを勧めます。
輪の作り目
円形のモチーフやあみぐるみは、輪の作り目から始めます。
糸を指に巻いて輪を作り、その輪の中に細編みなどを編み入れていく方法です。編み終わりに糸端を引くと中心の穴が締まるので、穴を小さくしたいあみぐるみと相性がいいです。
初心者のための作り目の選び方と目数の数え方

ここが競合記事で意外と薄い部分です。「どの作り目をいつ使うか」と「目数の数え方」をセットで押さえると、迷いがぐっと減ります。
どの作り目をいつ使うかの判断基準
作品の形と、あとで縁を拾うかどうかで選びます。
| 作りたいもの | 向いている作り目 | 理由 |
|---|---|---|
| マフラーなど平らな棒針作品 | 指でかける作り目 | 手早く、縁に適度な伸縮が出る |
| 縁をあとで別方向に編む | 別鎖の作り目 | ほどいて目を拾い直せる |
| 帽子・靴下など輪編み | 別鎖から輪にする | ねじれを確認して筒状に編める |
| 平らなかぎ針作品 | 鎖編みの作り目 | 土台がまっすぐ作れる |
| あみぐるみ・円形モチーフ | 輪の作り目 | 中心の穴を締められる |
迷ったら、平らな棒針作品は指でかける作り目で始めて問題ありません。私が初心者に最初に勧めるのもこれです。
作り目の目数の数え方と計算方法
目数は、輪っか1つ=1目として数えます。指でかける作り目なら、針に並んだ目の数がそのまま作り目の数です。
作りたい幅の目数は、ゲージから逆算します。たとえば10cmで20目のゲージなら、1cmあたり2目。幅25cmなら25×2で50目が目安です。
なお、メーカーの作り目解説ページでは目数の数え方の一般ルールまでは個別に定義されていないため、最終的な目数は使う糸とゲージで決まると考えてください。
必要な糸の長さの見積もり方
指でかける作り目で糸が足りなくなる失敗は、本当によくあります。
目安は、編む幅のおよそ3倍の糸を糸端側に残すこと。これが前述の手づくりタウンなどで案内されている長さの考え方です。太い糸や目数が多いときは、3倍では心もとないので、私は4倍ほど取って余りを切るようにしています。
ゲージとの関係を押さえる
ゲージは10cm四方あたりの目数・段数の目安です。作り目の目数はゲージから計算するので、両者は切り離せません。
作り目だけきつく作ると、ゲージ通りに編んでも裾だけ縮みます。本体と同じ手加減で作り目できるかが、仕上がりを左右します。
作り目から1段目へ・きれいに編み始めるコツ
作り目ができたら、いよいよ編み始めです。ここの移行と糸の引き加減が、編み地の見た目を決めます。

作り目から1段目への移行の仕方
棒針の指でかける作り目では、ゴショー産業の解説どおり、作り目のあとに針を1本抜いてから次の段を編み始めます。
作り目を1段と数えるので、その次が2段目。ハマナカの例では2段目を裏編み、3段目を表編みで進めています。最初の1目はゆるみやすいので、軽く整えてから編むと縁がだれません。
適切な糸の引き加減のコツ
引き加減は「目が針の上をスッと動く程度」が目安です。
私が体験取材で一番効果を感じたのは、目を作るたびに針の太さ分のゆとりを意識すること。糸を引ききらず、針に沿わせて止めるイメージです。きつい人ほど、ここで一拍止める癖をつけると改善します。
太い糸・細い糸など糸の太さ別のコツ
糸の太さで、同じ手加減でも仕上がりが変わります。
| 糸の太さ | 起きやすいこと | 対処のコツ |
|---|---|---|
| 太い糸 | きつく詰まりやすい | 針を1〜2号太くして作る |
| 細い糸 | 目を見失いやすい | 明るい場所で目数を区切って数える |
| 毛羽の多い糸 | 目がほどけにくく数えにくい | 別鎖など拾い直せる作り目を選ぶ |
太い糸できついと感じたら、前述のハマナカの「1〜2号太い針で作る」考え方が効きます。
左利きの人のための作り目のポイント
左利きでも作り目はできます。基本は、右利きの手順を左右反転させる形です。
動画解説を鏡に映すように見ると分かりやすいので、私は左利きの人に「画面を鏡像で見る」やり方を勧めています。慣れれば右利き向けの本でも問題なく進められます。
【独自解説】作り目でよくある失敗の原因と直し方
取材と自分の編み直し経験から、つまずきの大半は「きつい」「ゆるい」の2つに集約されます。原因と直し方をはっきり分けて解説します。

作り目がきつくなる原因と対処法
原因は、糸を引きすぎていること、針に対して目が小さすぎることのどちらかがほとんどです。
対処は2つ。糸を引ききらず針に沿わせて止めること、それでも詰まるなら作り目だけ1〜2号太い針で作ること。後者はハマナカも示している方法なので、安心して試せます。
作り目がゆるくなる原因と対処法
逆にゆるいのは、目を作るたびに糸を引き締めていない、または太い針で作ったまま本体に移ったケースです。
対処は、1目作るごとに根元を軽く締めること。波打つほどゆるい場合は、いったんほどいて作り直す方が早いです。中途半端に直すより、潔く巻き戻すのが結局いちばん近道でした。
各作り目の伸縮性と仕上がりの違いを比較
作り目によって縁の伸び方や厚みが変わります。
| 作り目 | 伸縮性 | 縁の特徴 | 向く用途 |
|---|---|---|---|
| 指でかける作り目 | 伸縮性あり | 薄くごろつきにくい | マフラー・平らな編み地全般 |
| 別鎖の作り目 | 拾い直し前提で調整可 | 縁を別方向に編める | 縁編み・輪編みの土台 |
| 共鎖の作り目 | ほどよい | そのまま残せる手早さ | 拾い直さない平らな作品 |
指でかける作り目が「伸縮性があり薄くごろつかない」という点は、手づくりタウンの解説と私の体感が一致しています。日常の作品なら、まずこれで困りません。
作り目に関するよくある質問(FAQ)

取材中によく一緒に聞かれた質問を、短く答えます。
よくある質問
作り目で止まっている人は、まずマフラーくらいの平らな作品を、指でかける作り目で20〜30目だけ作って練習してみてください。1段編めれば、もう編み物は始まっています。
